日本の海を、世界の物流を支える「技術の心」 三工電機が担う海上輸送の未来
日本の海と世界の物流を支える「技術の心」 三工電機が担う海上輸送の未来
貿易立国・日本の生命線を守る「縁の下の力持ち」

四方を海に囲まれた日本において、海上輸送は文字通り国家の生命線です。日本の貿易量は重量ベースで99.6%が海上輸送によって担われており、エネルギー資源や食料、原材料のほぼすべてが船によって運ばれています。この膨大な物流が一日でも滞れば、私たちの生活や産業活動は深刻な危機に直面します。それゆえ、海運は日本の経済安全保障の強固な基盤といえます。
この巨大な海上物流を支えているのは、荒波を越えて進む船舶そのものだけではありません。船内で24時間、安定して電気を供給し続ける精密な制御装置が不可欠です。広島県呉市に本社を置く私たち三工電機株式会社は、舶用分電盤の国内シェア70%を誇る「ニッチトップ・オンリーワン企業」として、世界の海で活躍する船舶の安全航行を支え続けています。
海上輸送の現状と直面する「変革」の課題

現在の海上輸送は、かつてない大きな転換期を迎えています。日本が輸入する資源、エネルギー、食料の安定供給を維持する一方で、海運業界には「船舶脱炭素」や「ゼロエミッション船」への対応が強く求められています。国際的な環境規制の強化に伴い、燃費効率の向上や、液化天然ガス(LNG)、水素、アンモニアといった次世代燃料対応船の開発が急ピッチで進んでいます。
また、人手不足の解消や航海安全の向上を目的とした「海事DX」も重要な課題です。センサー技術やIoTを活用した遠隔監視システムの導入が進む中で、船舶に搭載される電気・電子機器には、これまで以上の高度な信頼性と、複雑な信号処理を可能にする柔軟性が求められるようになっています。
三工電機の事業概要と、船舶運航における不可欠な役割

三工電機は、1957年の創業以来、造船所が集まる「造船の街・呉」で培われた伝統技術を背景に、船舶用電気機器の設計・製造に特化してきました。同社の製品ラインナップは多岐にわたり、船舶の「神経系」とも呼ぶべき重要な役割を担っています。
• 主要製品: 舶用配電盤(主配電盤)、分電盤、操舵スタンド、航海灯表示盤、蓄電池充放電盤など、安全航行を支える多彩な機器を取り揃えています。
• 一貫生産体制の強み: 三工電機の最大の特徴は、電気回路設計から板金、塗装、組立、検査に至るまで、すべてを自社で完結させる「一貫生産体制」にあります。これにより、高品質な製品を短納期で提供し、顧客の多様なニーズに柔軟に応えることが可能です。
• 革新的な筐体技術: 独自開発の「U字折り曲げ工法」により、補強材を削減しつつ十分な強度と気密性を確保した筐体を製造しています。これは、コスト競争力を高めるだけでなく、限られた船内スペースを有効活用するための軽量化にも貢献しています。
三工電機の製品は、激しい振動や塩害、急激な温度変化といった過酷な海洋環境を耐え抜くための防水・防滴・防振構造が徹底されています。特に、電線導入口の課題を解決する「背面コーミング」や「ケーブルグランド」などの細かな工夫は、長年の経験に裏打ちされた三工電機ならではの品質の証です。
安全・効率・環境への貢献
三工電機の技術は、国内外の造船所や海運企業との協業を通じて、日本の貿易を支える成果を上げています。

1. 冷凍コンテナ輸送による食の安全供給(REFCON分電盤) 世界の食卓を支えるコンテナ船において、同社の「REFCON分電盤」は欠かせない存在です。数千万円規模の高級食材を積んだコンテナへの電力供給が途切れることは許されません。三工電機の高信頼な製品は、24時間の連続稼働で世界の物流を末端で支えています。
2. 船舶IoTの推進と船内Wi-Fiソリューション 近年、同社が提供する「船内Wi-Fi」の導入支援は、船員の作業環境改善だけでなく、船舶IoTを加速させています。コンセントに挿すだけで構築可能なシステムは、運航効率の向上と船舶のデジタル化に大きく貢献しています。
3. アフターサービスによる就航船のライフサイクルサポート 三工電機の「アフターサービス」事業部は、自社製品のみならず他社製の船舶用制御盤や電気機器のメンテナンス・点検に対応しています。これは、電気系統のトラブルによる輸送停滞を防ぐ極めて重要な役割です。呉から全国、そして世界の港へエンジニアを派遣し、物流を止めないためのサポートを続けています。
今後の展望:次世代船の開発と持続可能な社会への貢献
日本の海上輸送の未来は、環境規制への適合とデジタル化の成否にかかっています。三工電機は、これまでに培った信頼を基盤に、さらなる挑戦を続けています。
脱炭素社会に向けた技術開発 三工電機は、造船会社や船舶エンジンメーカーと連携し、次世代燃料対応船やゼロエミッション船に向けた技術開発を積極的に推進し、地球温暖化防止に貢献しています。ISO9001やエコアクション21の認証取得を通じ、製造工程そのものの環境負荷削減にも取り組んでいます。
スマートファクトリー化と地域貢献
造船所のスマートファクトリー化が進む中、最新のタレットパンチプレスやプレスブレーキの導入を進め、製造ラインの高度化を図っています。同時に、呉市の海岸でのビーチクリーン活動や「子ども食堂」の支援、地元の高校生を受け入れるインターンシップなど、地域社会の持続可能性を高める活動にも注力しています。

技術と「心」でつなぐ、日本の海上物流の誇り
三工電機は、派手な広告を掲げる企業ではないかもしれません。しかし、日本の輸出入の99.6%を支える巨大な船舶の中に、同社の分電盤や船舶用制御盤が必ずと言っていいほど搭載されている事実は、同社が日本の経済と人々の暮らしを支える「真の縁の下の力持ち」であることを証明しています。「創造:新しい商品と幸せの創造 ものづくりでよろこばれよう」という経営理念のもとで仕上げる品質と、最新の技術を融合させる柔軟な姿勢。
三工電機はこれからも、広島・呉の地から世界の海へ、安全と信頼という名の光を灯し続け、日本の海上輸送の未来を切り拓いて参ります。
